前橋競輪のGⅢ「第12回施設整備等協賛競輪in前橋 桜花爛漫!まえばし春風賞」が27日に開幕する。12R初日特選メンバーの荒井崇博(46=長崎)は同地区の目標が手薄なシリーズとなったが、その存在感が色あせることはない。

「このあっせんでどう戦えっていうのか。(2日目以降の)番組が見ものだね。まさか4日間、自分で動けってことはないでしょ。どう組んでくれるのか楽しみにしてます」

 こうぼやくのも無理はない。あっせんが出た時点で九州の本格先行タイプはゼロ。機動型が豊富に揃う他地区に比べて明らかに九州の自力型の層は薄く、あの寡黙な大坪功一ですら「厳しすぎます(苦笑)」と愚痴をこぼしたほど。

 ただ、決まったことは覆せない。こうなった以上は自らの豪脚を駆使して逆境を跳ねのけるしかない。実際、前回の宇都宮でも九州の自力選手は不在だったが、初日は栃木に移籍した唯一の愛弟子・橋本瑠偉との初連係からワンツーを決め、最終日は自ら位置を奪って直線強襲の完全V。衰えぬタテ脚と圧倒的な存在感は健在で、なんだかんだ今シリーズも結果を出しそうな雰囲気だ。

 初日は松岡貴久を従えて「前々から自力」と決断し、1番車を生かして好位からタテ脚を繰り出すことになりそう。不本意かもしれないが、ファンは〝荒井の自力戦〟を楽しみにしている。