川崎競輪ナイターFⅠが15日に開幕し、10Rで山崎歩夢(20=福島)がS級デビュー戦を白星で飾った。16日の12R準決勝は父・芳仁の盟友で「小さいころからテレビで見ていた方」という成田和也(46=福島)との連係で決勝進出を目指す。
S級の初陣もヒヤヒヤの連続だった。前受けするも赤板付近で外から並びかけてきた森山智徳と接触。体勢を整えて突っ張った直後に関東3車に叩かれ、中団まで引いたところで九州2車のそれぞれが内外から追い上げてくる展開に「内と外でサンドイッチにされて混乱しました」。それでも状況を整理して打鐘4角付近から踏み上げ、執拗なけん制を乗り越えてまくり切った。
「バックを踏みながら突っ張る感じになってしまいました。A級とは来るタイミングが違うし、難しかったですね」。レース前の作戦会議で別線に出られるケースも想定していたそうで、番手を務めた岡村潤も「大丈夫かなとも思ったけど落ち着いていましたね」と舌を巻いた。
これでチャレンジ時代の1月奈良から続く連勝を「19」に伸ばした。「しっかり突っ張っていたら先行できたと思うので修正したい」と反省点を挙げつつも、岡村を振り切っての1着に「楽しんで走ろうと思っていました。結果がついてきたので良かったです」と少しだけ頬を緩めた。
準決勝はさらに相手のレベルも上がる。ラインは嶋津拓弥の加勢で3車となった。別線の先陣役はいずれも絶好調の市橋司優人と谷和也でスピードも展開もタフになるが「ペースは速い方が好き」と望むところ。どんな戦いを繰り広げるのか、目が離せない。