前橋競輪GⅠ「第34回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」は24日に2日目を開催し、8Rでは深谷知広(35=静岡)が力強い逃げ切りで初日9着からの巻き返しに成功した。

 初日の特別選抜予選は前受けから引いて巻き返すも車が全く出ず大敗。らしくない走りに状態を不安視する声もあったが、二次予選B8Rでは王道の抑え先行で別線を手玉に取り、同期の松谷秀幸も振り切って力強くワンツー。一流の修正力を見せつけた。

「(二予は)良い方の予想外があって先手を取れたし、出切ってからはペースでいけた。駆けた感じも悪くなかったです」

 普段上積みを求めたい時には、セッティングをいじるより自身の体の使い方などを調整することが多いが、今回は「初日があまりにも悪かったので自転車を大幅にいじった」という。それが奏功し「いい方向にいっている」とうなずいた。そして「まだ改善の余地があるし、もっと良くなるように調整したい」と検車場へと向かった。

 ここ前橋は2011年の高松宮記念杯でGⅠ初制覇を飾った舞台で「いいこともあったし、骨を折ったことも」と何かと縁のあるバンク。新たにいい思い出をつくるために決勝のイスは譲れないところ。まずは準決を突破して11年ぶりのGⅠ制覇への挑戦権をつかむ。