7月に本デビューした123・124期を紹介する「Challennge! 新人競輪選手紹介」。男子5人目の今回は中部から児玉虎之介(22=岐阜)の登場だ。祖父、父と同じ職業を選んだ「トラ」の競輪人生が始まった。
親子3代の競輪選手となった。児玉虎之介の祖父・清さんは元選手、父の利文(48=岐阜)は現役選手。母もかつては自転車競技で活躍。家業も自転車店と、自転車が生活の大部分を占める中で虎之介は父の走る姿に感動し、高校(岐阜第一高)から自転車競技を始めた。
ハマりやすい性格もあって自転車に夢中になり、3回目の受験で日本競輪選手養成所の門をくぐり、今年3月に在所成績59位で卒業した。
本デビューを前にファンにお披露目するルーキーシリーズを終え、プロ生活がスタートする直前に出ばなをくじかれた。練習中の転倒で左腕を骨折。2本折れた骨のうち1本は粉砕していたため回復に時間を要す。危機感を募らせながらも「いいなあ。稼いでるなあ」と同期の姿をうらやんでいた。
9月弥彦が本デビューの舞台だった。同期に2か月遅れた初戦は3日間バックを取って準優勝、同月向日町でも準優勝だった。「思っていたよりキツイ。養成所では、これをやれば3着ぐらいには入れるっていうのがあったが、ヘタしたら飛ぶ(=大敗する)なっていうのもあった」と成績以上にプロの厳しさを痛感。だからこそ「数打ってやらないと」。今は体と心がレースを欲している。
父の弟子であり自転車中長距離日本代表で来年のパリ五輪出場を目指す橋本英也(29=岐阜)は憧れの人だ。世界基準の航続距離だけでなく「とにかく自由なので(笑い)」と人柄にも惚れている。こんなエピソードもある。2回目の試験に落ち、失意の虎之介に「乗りに行かん?」って「励ましライド」(虎之介)に誘ったのがエイヤだった。
「オリンピアンが声をかけてくれることなんてない。良い関係にいるんだな、とつくづく感じました」
A級2班の点数獲得が直近の目標だが、将来像はまだ浮かばない…。虎之介の〝ライド〟はスタートしたばかりだ。
Q&A
――虎之介の名前の由来は?
児玉 トラのようにたくましく育ってほしいから、と昔、聞きました。
――虎といえばオジサン世代はタイガースなんだけど好きなチームは?
児玉 ないんですよ。野球は縁がなさすぎて。
――趣味は
児玉 映画。見るのが好きで週2日ぐらい。同じ映画を何回も見ます。サブスクも2個入っていて家でも暇あらばです。
――おススメは
児玉「ジョン・ウィック」。めちゃくちゃモチベが上がります。キアヌ・リーブスが日本語を使うシーンが大好き!!
――なら、オフの日は映画ですね
児玉 休んでいるか、映画館にいるかです。あと、愛知119期の石田(拓真)が名古屋改修で使えないから、ウチに泊まりに来ているので2人でサウナに行ってます。
☆こだま・とらのすけ 2001年6月5日生まれ、岐阜県出身、岐阜支部所属。177・2センチ、74キロ。師匠は山田隼司(91期)。