小田原競輪G3「第8回施設整備等協賛競輪 小田原城下町音頭杯」が12日に開幕する。12R特選は優勝候補筆頭・北井佑季(33=神奈川)が長いラインを生かして逃げ切りを狙うが、柴崎淳(37=三重)が復活のまくりを魅せる。

 思わぬアクシデントに見舞われがちだ。前回大宮は初日特選3着の後、準決6着で途中欠場になってしまった。

「右脚、ガーン!なって、腰、ドーン!って」

 ゴール前で右脚のアキレス腱部分に他の選手の車輪が当たり、急ブレーキ。まさかの事態に痛みもだが「接触した部分が真っ黒になっていて、ヤバって。自分でゴシゴシこすりました」と、焦げたパンのようになった箇所を丁寧に処置したという。

 柴崎といえば、2年前――。2021年10月14日に前橋競輪場で、レース前にムカデに刺されて当日欠場になった悪夢がある。「あれ以来、靴を履く時は慎重に、トントンってやってから履いてます」

 不名誉な〝ムカデ男〟の通称など、葬り去りたいだけ。活躍する〝あっちゃん〟だけを取り戻す戦いが続いている。

 初日(12日)の特選12Rは田尾駿介(31=高知)がマークする。「俺でいいの?」と恐縮していたが、チャンスはある。北井が強烈な存在も、関東別線になった宿口陽一(39=埼玉)―久木原洋(39=埼玉)、長島大介(34=栃木)―横山尚則(32=茨城)の2つのラインも黙ってはいない。世界がホレたあのスピードで…。まくり切る。