127、128期の新人選手にスポットを当てる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は小学4年生から大学を卒業するまでバスケットボール一筋だった川原未紀(26=千葉)に登場してもらった。
「子どものころは運動が大嫌いだったんです」
そんな少女が、何をどうすればプロスポーツ選手への道を進むことになるのか。きっかけは父の趣味で、3つ上の姉もしていたバスケットボールだった。
遊びの延長で〝ミニバス〟に触れたのが小学4年生のとき。3年生の時点で体重が50キロあったそうで、何をするにも友達から「太っているから無理だよ」と、いじられることが多かったという。そんな嘲笑が眠っていた闘争心に火をつけ、熱中していった。
小学校卒業時には「身長は3年間で20センチぐらい伸びたのに体重は50キロを切っていた」と〝脱ぽっちゃり〟にも成功した。
船橋市立海神中時代には千葉県の選抜チームの一員として全国大会に出場。高校も県内の強豪校である千葉英和高に推薦で進学した。しかし、1年の冬に右ヒザの前十字靭帯を断裂。「日本代表入りを目指していた」という人生設計に狂いが生じた。実業団入りを視野に大妻女子大でもバスケは続けたが、夢かなわず卒業後は某メガネ店の販売員として就職した。
ただ、就職活動中から悶々としていた。「競輪好きな父から『ガールズケイリンの選手になったらどう?』と言われて気になって。それまで見たこともなかったけど、調べていくうちに興味を持ちました」。数か月で仕事を辞めて輪界へ。それまでの自転車歴は「ママチャリだけ」だったが、船橋の自宅から30キロ以上も離れた新宿や渋谷までママチャリで行ったこともあったという。
自転車競技歴はなく、苦労も多い。昨年は卒業記念レースも含めて落車を3度経験し、頑張り過ぎた反動かインフルエンザや胃腸炎にも泣かされた。しかし、持ち前の闘争心や向上心はメラメラと燃え続けている。今年1月には憧れの選手でもある佐藤水菜と一緒に走れる絶好の機会と中0日で伊東に参戦。「少しでも盗めるものは盗もう」と臆することなくグランプリスラマーに話しかけた。
現在、目標に掲げるのは「1年半以内に通常開催で優勝すること」。本デビュー後の優出回数を考えれば決して低いハードルではない。それでも「どうやって勝ち上がるかにもこだわっている」と言い、失敗を恐れずに自ら仕掛けることを心がけている。
オフで自宅にいる際は生中継でライバルたちのレースを研究しているという。夢中になれるのは「競輪が好きだから」。輪界のミキティは心に決めた道を突き進む。
【Q&A】
――オフの過ごし方
川原 本を読んだり、サウナとか温泉に行ってリフレッシュしたりとかですね
――読んでいるのは、どんな本
川原 小説とかより、体の動かし方についての本など仕事にもつながりそうなものが多いです
――好きな食べ物
川原 お寿司ですね。好きなネタを一つ挙げるならツブ貝です。食べ物ではないけど貢茶(ゴンチャ)が大好きで、強くなったらスポンサーになってもらいたいなあと思っています(笑い)
☆かわはら・みき 1999年7月7日生まれ、千葉県出身。169センチ、69キロ。大学までバスケットボールで活躍。競輪が好きな父の助言で数か月の社会人経験を経て輪界へ。日本競輪選手養成所では在所11位。愛称は「ミキティ」。師匠は須藤悟(千葉99期)。