2024年一発目のグレードレースで目玉ラインが出現した。大宮競輪GⅢ「東日本発祥75周年 倉茂記念杯」が5日、開幕する。ド級のメンバーが揃った初日12Rの特選は深谷知広に平原康多―成田和也で3車連係することになった。各地区を代表する3選手の競演――。

 平原としては真杉匠が欠場になって関東1人のため「真杉がいなくなったので自力のつもりでした」が、「でも、考えます」。それは「成田さんが、今までの自分たちの経緯も考えてか、深谷―平原で並ぶなら3番手を回るよ、って言ってくれたんです」と成田の気持ちを聞いたから。

 熟慮した結果、「深谷に付かせてもらいます」で新春夢ラインが誕生した。

「今までも深谷に付けられるチャンスはあったけど、自分も自力選手として回ってこなかった。ずっと魅力的な選手というのは変わっていないですよ。自分としては、何かを変えたい、という思いもあるので」

 深谷は「平原さんは自分にはできない、何でもできる選手で憧れの存在。気が引き締まります」と気迫をみなぎらせつつも、どこかにこやかだった。

 12Rはこの深谷ラインに、脇本雄太―三谷竜生―浅井康太のこれまた強烈中近軍と、北津留翼―井上昌己の九州天才コンビ、そして清水裕友が単騎という、グランプリ級の一戦になる。

 夢の続きが、大宮競輪場で始まる。