123、124期の新人選手を紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。金田舞夏(21=福岡)は久留米の名門藤田剣次グループで力を付けている好素材だ。今年に入り着実な成長を見せている。

 神奈川県茅ヶ崎市出身の金田舞夏は幼少期から自転車好きの〝湘南ガール〟だ。高校入学時に父の転勤に伴い、福岡へ引っ越し、名門・祐誠高時代には多くの大会で活躍。ガールズケイリンに飛び込んだのも自然の流れがあった。ケガによるブランクはあったが、昨年3月に日本競輪選手養成所を124期生として卒業した。

 ルーキーシリーズをへて、7月から本格スタートしたデビュー期(2023年後期)は2場所目の7月小倉で初の決勝進出。8月高知で初勝利、続く9月平塚でも1着をゲットしたものの、警戒レベルの上昇とともに先輩レーサーの壁に何度も跳ね返された。「レースが難しい。脚をつけるのも大事だけど位置取りも。前から行けば良かったり、逆に前に行ったら失敗して。だんだん自信がなくなって…」と、プロの厳しさを味わった。

 2年目の今年は「自分もうれしいし、一番大事なお客さんも喜ばせたい」と3着以内の確定板に多く載ることをテーマに挙げる。競走に慣れたのと、参加前にライバルが走ったレースを数か月分にもわたってチェックしてから本番に臨む「トライ&エラー」を繰り返す努力でここまでは順調。3月末の折り返しを待たずに今期は早くも2回優出(1月取手、2月向日町)。前期5回だった車券貢献も早々とクリアしそうだ。

 誰もうらやむ環境に身を置いている。今年のGPレーサーの児玉碧衣、尾方真生ら多くのスター選手を輩出する藤田剣次に師事し、姉弟子もルーキーの成長を見守っている。事あるごとにアドバイスをもらい、姉弟子の背中を懸命に追っている毎日だ。課題の出だしのダッシュと、もう少し長い距離が踏めるようになると自信も付き、レースで「動きたい」という気持ちも強く持てよう。

「初優勝はいつかはしたいけど、言っていいのかな。そんなでっかいこと。目指していますが、たまたま勝っちゃったはダメなので、いつかは自分の力で…」

 心地よい新風を届けるため、マイカはこれからもペダルを回し続ける。

Q&A

――九州の生活も長くなった。改めて、九州福岡のいいところは

 ごはんが美味しい!

――言葉には慣れた

 高1の時は先生が怒っているのが、何を言ってるのか分からなくて、クラスの子に「福岡弁講座」をしてもらっていました。今もしゃべれないけど、聞けるようには。

――趣味はありますか

 最近は開催の後に観光してから帰っています。松山の後は道後温泉に行って、この前はお母さんと岡山へ旅行しました。

☆かねだ・まいか 2002年8月19日生まれ、神奈川県茅ヶ崎市出身、福岡県久留米市在住。163・2センチ、54・4キロ。師匠は藤田剣次(85期)