武雄競輪GⅢ「第8回大阪・関西万博協賛競輪」は31日の最終日、12Rで決勝戦が行われた。レースは5番手からまくった山田庸平(36=佐賀)が優勝。昨年12月の広島記念(玉野代替開催)以来4回目のGⅢ優勝は、念願の地元GⅢ初制覇だった。なお、山田には日本国際博覧会協会より「EXPO2025大阪・関西万博ペア1日入場券」が授与された。

 普段から慎ましく物静かなタイプだが、レースになると図太く大胆になる。決勝も巧みに5番手をキープすると2角から外に持ち出し痛快弾が決まった。「地元Vは格別? まずはひと段落ですね。走る前、オッズが町田(太我)君から売れていて。お、よかったって(笑い)。緊張せずに走れたのがよかったのかもしれません」と、控えめにハニかんだ。

 2月に体の痛みに加えて体調不良に陥り戦線を離脱した。復帰戦だった前回の松阪は優勝したものの、FⅠシリーズとあって「9車のレース勘がまだまだ」と違和感はありありで、不安を抱えての参戦だった。

 だが、抜群の修正能力と有形無形の地の利を味方に地元リーダーの大役を果たした。この先はFⅠシリーズを2本挟み、いわき平GⅠ日本選手権競輪と地元の開設74周年記念大楠賞争奪戦が控えている。

「(9車を走って)感覚を取り戻せそう。決勝の1着はこの先につながるし、今後を見据えてこの先も準備します!」と浮かれることなく、静かに余韻をかみしめていた。