令和6年能登半島地震復興支援として行われている西武園競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設74周年記念 ゴールド・ウイング賞」は22日、3日目を行った。深谷知広(34=静岡)は立ち回り、作戦、さまざまな面において進化を遂げている。
準決11Rは二段駆け可能な布陣の地元勢と、総力戦を示唆する稲川翔が相手の三分戦だった。稲川が地元分断に出てもつれると、この隙を逃さず逃さず猛チャージ。二予と同様に裸逃げとなったが、今度は力強く押し切りS班の威厳を示した。
「稲川さんが粘ってくれたので展開が向いた」のは確かだが、これは結果論。実は戦前は地元分断も視野に入れていたという。
「発進があると思ったので(前受けから突っ張られないように)初手は前が欲しかった。稲川さんが粘らなければ、自分が(地元ラインの)合ったところで引かずに勝負するつもりでした」
この考え方ができるのが今の深谷であり、強さと安定感につながっている。
タテ脚の威力がアップし、さらにヨコもこなせるようになった今の深谷に怖いものはない。23日に行われる最終日12R決勝は2番車。後ろ攻めは回避できそうで、前から突っ張る地元と後ろ攻めの栃木勢で踏み合う流れになれば、サラ脚で中団を回れる可能性が高くチャンスは十分。地元勢にとっては脅威の存在といえよう。