京王閣競輪のFⅠナイター「OddsVS!杯」が22日に開幕する。12RのS級初日特選に1番車で臨む山崎芳仁(45=福島)は岸和田GⅠ高松宮記念杯から中4日で「疲れを取って練習は1日だけ」とケアを中心にしてきたが、目標不在の番組に「自分でやる」と即決。神奈川の内藤秀久―嶋津拓弥が後位を固める。

 GⅠ9勝の実績を誇るベテランには、これ以上ない発奮材料がある。7月7日開幕の地元いわき平FⅡでの本デビューを控えた愛息・歩夢(19=福島)の存在だ。

 ルーキーシリーズでは2走目の松山で優勝するなど実力の片りんをのぞかせているが、まだまだ競輪選手としてスタートを切ったばかり。日々の練習では父として、師匠として「夢を追ってやってくれれば」との思いから「今しかできないこと」を課しているという。

 自身は豊富な練習量でスピードと無尽蔵なスタミナを築きあげた。「息子には競輪選手らしい練習をさせている」とサラリと言うが「らしい」の基準は、もちろん若いころの自分。「乗り込みにスピード練習…全て量を多めにやらせている」のはフィジカルの強化だけが目的ではない。「時代はどうあれ大事なのは根性」。経験に裏打ちされた「根性」の2文字には重みがある。

 レースでの親子共闘もそう遠い未来ではない。いつまでも歩夢にとって「偉大な父」であり続けるためにも、目の前の一走に全力を注いでいく。