豊橋競輪の大阪・関西万博協賛GⅠ「第回全日本選抜競輪」は24日、最終日を迎えた。優勝賞金4190万円(副賞含む)と年末のグランプリ出場権をかけて争われた12R決勝戦は脇本雄太(35=福井)が寺崎浩平のまくりを逆転して優勝。大会初制覇でGⅠ全冠制覇(グランドスラム)と、史上初となるグランプリと6つの全GⅠ優勝(グランプリスラム)を達成した。
昨年11月に競輪祭(小倉)を制しグランドスラムに王手をかけた脇本が、一発ツモで井上茂徳氏、滝沢正光氏、神山雄一郎氏、新田祐大に続く史上5人目の偉業を達成した。それだけではない。現行のGⅠ6大会プラスGPの計7冠を達成したものに与えられる〝グランプリスラム〟の称号も手にした。「もっと早く取れると周りから言われていました。取り始めてからは短く感じました。全冠取れてよかった」。2018年のオールスター競輪(いわき平)から始まった気高く崇高な取り組みは、わずか6年半という短期間で実ったことになる。
今節は近畿勢の躍進が目覚ましく、決勝には6人が勝ち上がった。さすがに全員での連係は難しく3対3に分かれた地区戦さながらのガチンコ勝負は、これまで2回、脇本のGⅠ優勝に貢献した寺崎浩平に任せた。「GⅠ決勝を一緒に走るのは4回目でした。心強い後輩です」。これまで幾度も大舞台で近畿勢の優勝に貢献してきただけに、同じ方向性を向く後輩の成長は何よりもうれしかった。
もちろん、寺崎だけではなく近畿の結束力を示せたことにも気持ちが躍った。「今回は近畿の仲間に助けられた優勝でした。(GPまで)時間が空きますが、1人でも多く乗れるように今後も近畿を支えていきます」。休む暇はない。この先も近畿の大黒柱として奮闘する。

史上初となるグランプリスラムを達成した脇本雄太