川崎競輪FⅠナイターは16日に2日目を行い、注目の12R準決では成田和也(46=福島)が山崎歩夢(20=福島)をゴール前でかわして1着。見事なワンツーで決勝進出を決めた。

 特別昇級後でS級初挑戦の山崎は格上相手でも堂々とレースを支配した。前受けから市橋司優人を突っ張り、打鐘目がけて後方から仕掛けてきた谷和也にも合わせきる。最終3角付近からは市橋が外をぶん回してきたが、しっかりと踏み直した。

 成田は初連係となった山崎のポテンシャルの高さを再認識した様子だ。「すごいスピードがあるとかではないが、競輪を分かっている。オヤジ(芳仁)みたいにゴールを分かって(逆算して)走っている感じ」。寸差しでの先着にも「自分は何もしていませんから」と話した。

 山崎自身にとっても及第点の走りだった。別線からの波状攻撃にも「全開だったけど考えながら踏めました」。コーナーで並びかけられても強弱をつけて踏むことで冷静に対応。「最後は余裕がなかった」というが「自分の仕事はできた」と満足げだ。

 連勝は「19」で止まってしまったが、それ以上に得たものは大きい。最終日(17日)の12R決勝は山崎―成田―守沢太志と北日本が唯一のライン3車となり、相手は中国の取鳥雄吾―大川龍二に四国の石原颯―山形一気とさらにレベルアップ。それでも山崎は「自分の力を出したい」と言って口元をキッと引き締めた。