松戸競輪FⅠナイター「ベルハンマーカップ」は25日、開幕する。S級では7日の特別昇級から2場所目となる格清洋介(30=静岡)の〝覚醒ぶり〟にも注目が集まりそうだ。

 今期の7月からはA級に落ちたが、9月末までに2度の完全Vに準V2回と格の違いを見せつけていた。そんな中で、10月和歌山から怒とうの快進撃が始まった。初日2着から準決、決勝を制して今期3度目の優勝を飾ると、そこからは負け知らず。今月の平塚で3場所連続の完全Vを果たしてS級復帰を決めた。

 そこまでなら誰も驚かなかっただろう。格清自身も「状態は悪くなかったけどA級だけかと思っていた」という。ところがS級復帰初戦となった前回岐阜でも完全V。準決、決勝では10月の世界選手権(デンマーク)で男子ケイリンを制した山崎賢人に先着した。

「たまたまですけど、世界チャンピオンに勝てたのは自信になる。同期で競輪学校(現養成所)の時から強かったので」。とはいえ、大番狂わせだったわけでもない。2車単は準決が4番人気の1120円で決勝は3番人気の960円。ファンも「今の格清なら」と期待していた証拠だろう。

 10月和歌山の準決から14連勝。練習法を変えたり劇的に脚力がアップしたわけではないようだが、好調の要因に「勝ちグセがついたこと」を挙げた。「レースで行けるところで行けている。出し惜しみするとダメだったので」。過去の反省を踏まえ、自信を持ってレースで出し切れていることが好成績につながっている。

 当地はA級だった10月に完全V、S級時代の1月も連勝で決勝進出と相性はいい。初日の予選メイン11Rへは「(連勝は)止まるんじゃないですか」と自虐的に言って笑ったが、成長曲線はさらなる上昇カーブを描くはずだ。