競輪選手がアーケード商店街を激走――。2016年4月の熊本地震で休催していた熊本競輪は今月20日に開幕するFⅠ「令和6年能登半島地震復興支援 熊本競輪再建記念」で本場レースが8年ぶりに再開される。新しくなった競輪場に足を運んでもらおうと14日、熊本市中央区の花畑広場及びサンロード新市街で「熊本競輪Re:スタートフェスティバル」と題したイベントが行われた。

 熊本市有数の繁華街であるサンロード新市街では「ストリートKEIRINin熊本新市街」のタイトルで日本競輪選手会熊本支部所属選手(10人※エキシビションの女子2人含む)と地元のアマチュア選手4人が特設コースでのスプリント対決を実施。アーケード商店街でのスプリントレースは国内では初の試み。選手は日ごろの練習で培ったパワーでペダルを回し、観戦した人からは驚速の走りに魅了されていた。

 熊本輪界の第一人者でGⅠ優勝3回に自転車競技で2度の五輪出場経験(2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ)がある中川誠一郎(45)は「お客さんと距離が近くてうれしい。競技している時の雰囲気を思い出しました」と話し、20日のレースに向けて「忙しすぎるのもあるので盛り上げるのとレースも半々になるのはしようがないが、できる限り仕上げます。もちろん優勝を目指すだけです」と活躍を誓った。

「ストリートKEIRINin熊本新市街」の表彰式でプレゼンターを務めた熊本市の中垣内隆久副市長は「みなさんのおかげで7月20日にはピカピカになって戻ってくる。熊本競輪場、そして、熊本競輪、競輪そのものを親しく感じてもらえればうれしい」と話した。

 花畑広場では千葉県・松戸競輪場で開催中の「ガールズケイリンフェスティバル2024」(GⅡサマーナイトフェスティバル内)のパブリックビューイングを行い、熊本市出身で元選手の田仲敦子さんがガールズケイリンの魅力を伝えた。ほかにも競輪選手の練習用機械を使ったスピード測定やバーチャルサイクリング体験、競輪・オートレース補助事業及び日本競輪選手養成所PRなど多くのイベントが催された。

エトキ・国内で初めてアーケード商店街でスプリントレースを行う選手