熊本競輪の大阪・関西万博協賛競輪GⅢ「開設74周年記念 火の国杯争奪戦」は6日、12Rで決勝戦が行われ深谷知広(34=静岡)がバック過ぎからまくり前団をのみ込んでV。5月武雄以来21回目のGⅢ制覇を通算400勝達成のオマケつきで決めた。

 真骨頂ともいえる会心のまくりがスカっと決まりメモリアル達成となった。スタンドを埋めた大勢のファンからの歓声が心地良く「地元みたいな雰囲気で迎えてくれました。シンプルにうれしかった!」と渾身のガッツポーズを決めた。

 2016年4月の熊本地震で傷ついた熊本バンクのためにチャリティーオークションを企画し、休止中の競輪場へトークショーに赴くなど、競輪場に寄り添い奔走してきた。それだけに「走れるだけでもうれしかったのに優勝できるとは…。震災直後から見てきたし、熊本のパワーを感じました」と感慨深げだった。

 喜びを噛みしめ一息ついたが、この先も大事な戦いはまだまだ続くだけに気持ちを切り替えねばならない。「(賞金面でも)いい位置にいられているし、そういう争いができているのはうれしいこと」と、目指すはホームバンクの静岡競輪場で行われるKEIRINグランプリ2024(12月30日)。ひと呼吸を整え、また激戦に立ち向かう。