大宮競輪のFⅠシリーズは18日、2日目を行った。11RのS級準決勝は、大坪功一(48=福岡)が即席連係の片桐善也からスピードをもらって直線鮮やかに抜け出した。

 今シリーズは西日本の自力選手が1人も準決勝に上がれず、このレースも関東3車、神奈川2車で大坪は目標不在という構成だった。

「関東は並ぶだろうし、1人でどうしようかな」と考えていたようだが、関東が小畑勝広―杉本正隆の茨城勢と、初日に逃げ切ってS級初勝利を挙げていた新潟の片桐が別れることになり、大坪は片桐を目標に指名。

「競輪はやっぱりハコですから。(本線の)神奈川の3番手もあったけど、先行選手のハコがあるなら絶対にそっちだなって」

 この決断が吉と出る。片桐が脚を使いながら3番手を確保し、最後もタテに踏んだことで大坪にチャンスが巡ってきた。「ライン3車で1番だったのは大きかったですね。中団、中団を回る作戦が組めたし、片桐君も冷静に走ってくれました。一緒に決勝に上がれれば一番良かったけど最後は止まっていたので。でも本当に頑張ってくれましたよ」と地区の違う先行選手を称えた。

 1月熊本の以来となる決勝は「加藤(将武)君もいるけど、連日、人の後ろなんですもんね。ここは単騎でやります。大宮は相性もいいので頑張りたい」と自らの嗅覚を頼りに勝機を見出す構え。機敏に立ち回って、2020年9月の別府以来のVを目指す。