名古屋競輪GⅠ「第79回日本選手権競輪」は30日、2日目を開催し序盤戦が終了。5月1日からはさらに〝狭き門〟の二次予選が行われる。8Rに登場の嘉永泰斗(27=熊本)には本来の力強さ、荒々しさが戻りつつある。

 武雄記念の決勝は九州4車の先頭で風を切った。迫る太田海也の抵抗はあったものの、番手の山田庸平がしのいで優勝をつかみ取った。九州ラインで戦う姿勢を改めて示した走りだった。

「流れができてくるといいですね」

 出し尽くした後「もっと長く踏めれば良かったんですが」と悔しい思いも吐露しつつ、先につながる何かはつかんだ。何より本人の感触よりも後ろの選手たちが「踏み出し、かかりがハンパじゃなかった」と話す力感があり、状態は確実に良くなっていた。

 初日の一次予選1Rは3着ながらもそれを証明するものがあった。7番手に置かれたが「しっかり反応できた」と早めに巻き返し、最後まで耐え抜いた。武雄に続いて「いい感じで来れていると思う」と笑顔も見せた。

 今開催の前にはここでも連係することになった山田庸平が熊本に来て練習をともにしたこともあり、絆も強まるばかり。一次予選が3着なので、勝ち上がりの規定を考えると準決進出には2着までが必要。強気な仕掛けで狙うは九州ワンツー、それだけだ。