富山競輪GIII「開設74周年記念 瑞峰立山賞争奪戦」(優勝賞金560万円)は3日、最終日を行った。12R決勝は山口拳矢(29=岐阜)がバンクレコードを更新する上がりタイム8秒8のまくりでV。1月立川以来、GIII・4回目の優勝を飾った。
天才に見えて、実は堅実な選手だ。「あの並びは犬伏(湧也)君が楽過ぎると思い主張した。こだわったことが勝利につながりましたね」。初手で近畿の3番手に固執する、それがレースを動かすことになると読んだ。
単騎での戦いで好結果を残すことが目立ち、本人は「たまたま単騎の時に展開が向いているだけ」と謙遜するものの、その結果を支えているのは日々の研究に違いない。
しかし、そんな泥臭さは似合わない。表彰式で多くのファンの声援を浴び「中部地区と代表して優勝できてうれしい」と喜びを分かち合った。悩んでいた自転車も「このまま行く」と函館オールスターに迷いなし。
「中部地区でGⅠに出る選手も増えているし、みんなで勝ち上がれるように。自分はまだ下手な部分はあるけど」
はじける笑顔を振りまき続けることが、使命だ。