7月、いよいよ本デビューを迎える127期、128期のルーキーを紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。第2回目はガールズの卒記女王で5月熊本のルーキーシリーズ初戦を制した岩元杏奈(24=宮崎)に注目した。
一歩間違えば、岩元杏奈というガールズ選手は誕生しなかったのかもしれない。「自転車競技は高校から本格的に始めた。でも、プロを目指している、というわけでもなかったし、大学卒業でひと区切りをするつもりでいました」。実際、日本体育大学を卒業後は、宮崎県のスポーツ協会で契約社員として働きつつ、地元国体の強化選手として競技を続けていた。
宮崎県の国体強化選手として、2023年かごしま国体ではチームスプリントで5位入賞など実績を残していた。しかしどこかにわだかまりに似た感覚があった。
「自分の中で中途半端なところがありましたね。そんな時に知人に熱心にガールズケイリンを勧められたのもありました」
意を決してからは早かった。養成所への受験は一発合格。過ごした日々を振り返り「10か月間は長かったけど、いろんなことを吸収できましたね。競技と競輪は違うし、新しいことは取り入れようと思っていました」と話す。結果として卒業記念優勝、在所3位という成績を残して卒業した。
迎えた5月のルーキーシリーズ初戦の熊本で幸先よく優勝。続く別府では連勝で勝ち上がっての決勝3着と順調な歩みを見せていた。しかし3場所目の四日市では予選を3、7着と決勝進出を逃してしまう。最終日に1着を取ったものの、不完全燃焼でシリーズを終えてしまった。それだけに6月の1か月間での立て直し、調整が重要になって来る。
師匠は四元慎也で「もともと高校の時くらいから知っていました」とお世話になってきた。養成所を卒業してからは「自分の住んでいるところが山側にあって、練習するところから離れているんです。でも6月中旬には練習場所の近くに引っ越しをするし、一緒に練習して実戦に向かいたい」と力を込めた。練習環境を整え、あとは本デビュー戦となる佐世保(7月9~11日)を待つばかりだ。
【師匠・四元慎也の話】持っているものはいいし、ルーキーの中ではいけると思うが、GⅠに行くとまだまだだと思う。ポテンシャルはもっと秘めていると思うし。いろんな練習に取り組んで頑張ってほしい。
【Q&A】
――休日とかは何をしている
映画も見るけど、読書したりもしてますね。広く浅くといった感じ。
――最近はまっていることがあるとか
そう、登山にはまってますね。養成所に入る前は九重連山に登ったり、4月には阿蘇山に行ったりしました。
――最近も行ったとか
別府のレース後、翌日10時ごろに前田義和さんや瀬口匠さんとかと一緒に、宮崎の高千穂の峰に行きました。
☆いわもと・あんな 2001年3月9日生まれ、宮崎県出身。148・9センチ、53キロ。師匠は四元慎也(77期)。養成所順位は3位で卒業記念の覇者。日体大卒業後は社会人として競技を続けていた。血液型はB。