小田原競輪FⅠが15日に開幕した。6RのS級予選は自在戦で売り出し中の安彦統賀(27=埼玉)が、別線の踏み合いを力強くまくって山下渡とワンツー。圧倒的な支持に応えた。

 S級初V、そしてS級1班の点数確保に一歩前進した。2024年後期に古傷の手首を手術した影響で出走本数が足りず、前期(25年後期)はA級を走っていたが、今期S級に復帰すると随所で存在感を発揮。自分で動く番組なら先行や飛び付きなど何でもありの総力戦で活路を開き、人の後ろを回れば車間を空けたり、絶妙なブロックで別線をけん制するなど、非凡なレースセンスを駆使して常に首位争いに加わっている。

 まくり快勝のこの日は「展開が向いてラッキーだっただけ。あのままずっと被っていたら危なかったし失敗レース」と組み立てを反省したが、別線が安彦のことを警戒していたからこそ、支線同士の踏み合いが発生したのであり、決して「たまたま」ではない。

 今期の競走得点は前検日時点で103・66。自身初のS1昇格が狙える位置にいる。それでも「まだ自在選手として足りないところがあるし、点数を気にしても良いことはないので。まずは今まで通り展開や番組に応じて何でもやって、それで結果が付いてくれば」と残り2か月弱は、あくまでも自然体で戦うつもりだ。

 16日の準決勝12Rは「単騎で」一発にかける。「チャンスがあるかはわからないけど、ベストを尽くします」。新田祐大が相手で厳しい構成ではあるが、器用な安彦にとって単騎戦はプラスに働きそう。決勝の切符をつかみ取り、S級初Vにリーチをかける。