123、124期の新人選手にスポットを当てる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回紹介するガールズケイリンの新星・東美月(21=兵庫)は大学に通いながら選手生活を送る二刀流レーサー。選手になった経緯や今後の方向性を熱く語ってもらった。
高校までスピードスケートに没頭していたが「大学からは違うスポーツをやろうかなって」。そこで白羽の矢が立ったのがガールズケイリンだった。
「自転車は好きだったし、高3の時にガールズサマーキャンプに参加して楽しかったので。父親が行っていた接骨院の先生が元競輪選手で、その方を通して師匠の沢田(義和)さんを紹介していただきました」
当時は大学生だったが、適性で124期の試験に合格すると、休学し日本競輪選手養成所に入所した。
デビュー戦となったルーキーシリーズ(四日市)は3、2着で勝ち上がると、決勝でも機敏な立ち回りから最後は鋭く追い込んで見事優勝を飾った。続く福井も3、2、3着と3日間確定板入り。
124期生屈指の実戦派として満を持して7月に本デビューを迎えたが、注目の初陣(大垣)は2日連続で予選7着…。「緊張や焦りで雰囲気にのまれてしまい、自分のレースができなかった」と敗因を分析し「ルーキーシリーズのように、周りの状況を見て冷静に立ち回れれば」と今後のレースプランの指標を示した。
「得意なのは差し勝負」だが、憧れの選手には徹底先行で鳴らす奥井迪の名前を挙げる。「奥井さんは馬力や迫力、トップスピードなど、自分に持っていないものを持っているので。本当は私も自力を出したいけど、現状の力では着に残れない。(差し主体の)今のスタイルは正直納得していないし、もっと力を付けて、いずれは自力を出せる選手になりたいと思っています」と目を輝かせながら壮大な目標を明かした。
また、養成所入所の際に休学していた大学にも4月から再び通い始めた。
「まだ3回生なので、取らなきゃいけない単位が結構残っていて…。結構忙しくて両立は意外と大変ですけど、残り2年間は自分で学費も払うので、しっかり学ばないとですね」
高い向上心を持つアクティブ二刀流レーサーの挑戦は始まったばかり。どんな選手になっていくのか、楽しみに見守りたいところだ。
Q&A
――ニックネームは「あずまっくす」?
そうですね、どこに行っても「あずまっくす」って言われます(笑い)。父もそう言われていたみたいですし。それか「ヒガシ」ともたまに呼ばれます。
――趣味は
ドライブです! 遠征も車で行くことが多いです。今はボロボロの車に乗っているので、お金を貯めて早くスポーツカーを買いたいんです!
☆あずま・みづき 2001年11月8日生まれ、兵庫県神戸市出身。159センチ、66キロ。武庫川女子大学在学中。師匠は沢田義和(69期)。