福井競輪GⅡ「第41回共同通信社杯競輪」は15日、最終日を行った。乱戦となった11R決勝は南修二(44=大阪)が鋭く抜け出してビッグレース初Vを飾り、優勝賞金3090万円を手にした。2着は寺崎浩平、3着は三谷将太だった。

「近畿の競輪が好きなんで。自分はまだまだですが、受け継いでいけるように」

 闘争の歴史が南の肉体ににじむ。ラインのために、やれることはすべてやり尽くす。そんな男に44歳でのビッグレース初優勝という栄誉が訪れた。

 しかし「映像を見てないですけど、待てなかったので踏ませてもらった」と古性優作の内を踏んだシーンが脳裏を満たす。確かな1着ゴールであっても「レース内容のことを考えてゴールした感じです」と喜びばかりではなかった。

 決勝は近畿5車、古性には福井勢と別線自力の考えもあったが「各々やってきたレースもありますし(寺崎浩平の番手は)簡単に回れる場所ではないと話した中でこの並びになりました」と結束して勝負。近畿全員にチャンスのある走りを寺崎が演出して、5人でレースを支配した。

 3090万円という優勝賞金を手にし、初のグランプリ出場に大きく前進となった。それでも「まだGⅠが2つ残っているので」と口元を引き締め、最年長のビッグレース優勝者が松本整氏の45歳と知ると「そこをひとつの目標にして頑張りたい」と明確に語った。

 88期の同期はGⅠ覇者も数多く「自分は競輪学校(現養成所)の頃から弱かった。周りがみんな強くて学ばせてもらうことが多く、今がある」と追いかけてきた。

 今の力、近畿の勢いがあれば、GⅠ優勝は目の前にあると言っていい。