大宮競輪FⅠ「サンケイスポーツ杯」は10日に開幕し、日高裕太(23=静岡)が10Rで2着に粘って準決進出を決めた。

 人気になっていたのは輪界のプリンス山崎歩夢で番手の朝倉佳弘との2車単は2・0倍と売れていたが、最終2角6番手からまくり一閃。最後は後位の石毛克幸に差されたものの、3着に朝倉が入っての3連単1万2700円で穴党を喜ばせた。

 レースは初手から久保田泰弘―富弥昭の山口2車に外からかぶせられる苦しい展開。しかも打鐘で久保田の動きに呼応して山崎が踏み上げると口が空き、富に下りられて6番手に置かれた。反省点はいくつかあったが「今回は師匠の鈴木良太さん(静岡86期)と一緒で、すんなり引いたら怒られる。ミスはあったけど前もかかっていたし、500バンクだから修正できた」と冷静に踏み上げ、前団を飲み込んだ。

 9月半ばに長野・飯田市のしらびそ高原で行われた2泊3日の合宿で、多くの学びがあったという。同県の深谷知広や今年のダービー王・吉田拓矢ら大物が集う中で、特に感銘を受けたのが真杉匠の乗り方やフォームで「真杉さんは骨盤を立てて骨で踏んでいるイメージで勉強になった。それにヨコができないと上では戦えない」ことなどを実感。もちろん見取りけい古だけでなく、標高1918メートルの高地で「人生で一番きつい練習」を積み、肉体面でも刺激を入れた。

 11日の12R準決は石毛に大塚玲の2車を背負って河端朋之との二分戦。さらに相手は強力になったが、師匠や先輩たちに成長ぶりを披露するには絶好の舞台だ。