平塚競輪場で12月30日に行われる「KEIRINグランプリ2025」に出場する脇本雄太(36=福井)が、大きな注目を集めている。

 この男の仕上がり具合が、今年のグランプリの重要なポイントになる。

 2025年の競輪界を席巻した近畿が4車で結束。その番手回りは〝普通に考えれば〟断然の優勝候補に推される位置だ。

 ただ、10月のGⅠ前橋寬仁親王牌3日目のアップ中に左ひじを骨折。ぶっつけで大一番を迎えることになってしまった。「手術して2週間は動けなかった」という重傷。前夜祭の段階では並びを発表できないほど、状態は流動的だった。

 それでもグランプリメンバーの前検日の28日に「寺崎君の番手」と、近畿ラインの中核として戦う決意を表明。「今月のアタマくらいから乗れるようになったし、なんとか間に合ったのかな。満足いく状態ではないけど、やれることはやったつもり。ここに懸ける思いは強く持って頑張りたい」と覚悟を示した。

 思えば3年前の当地グランプリの時も戦前は控えめなコメントを出していたが、結果は鮮やかなまくりを決めて古性優作とワンツー。「平塚は相性いいけど(3年前とは)状況が違う」と慎重だが、〝終わってみたらやっぱり脇本だった〟という結末は十分ありえそうだ。