平塚競輪FⅠ「湘南クリーンサイクル杯」が8日に開幕。ドーピング違反から復帰の北井佑季(35=神奈川)は1Rで人気に応えて堂々の逃げ切りで1着発進を決めた。
湘南バンクは選手紹介からデイ開催の1Rとは思えない盛り上がりを見せた。北井が正面スタンド前を通ると、地元ファンからは「お帰り~!」「待っていたぞ!」の声が飛んだ。そしてレースが始まると、北井は1番車を生かして前受けから全ツッパ。最終1センター付近から後位の荻野哲―森川剛がちぎれてラインでは決められなかったが、中団からまくり追い込んできた中武三四郎を振り切って先頭のままゴール線を駆け抜けた。
約1年ぶりの実戦で風を切り、検車場に戻ってきた北井は額に吹き出た心地いい汗を何度も袖口でぬぐった。「やっと走れたというのが率直な気持ち」と言い、レース前からの温かい声援に「力になるし、ありがたかった」と実感を込めた。1Rの発売金額9767万4100円は、ほぼ同条件で行われた昨年11月当地FⅠデイ開催の1Rの5450万500円の倍近くと、売り上げ額にもファンの関心の高さが表れていた。
北井は復帰戦でのレース内容について「前を取れたのにラインで決められていないし、ペースとか修正したい」と反省点を挙げた。一方で「逃げ切れているし、踏み直しの部分は良かった」と手応えもつかんだ。実戦から遠ざかっていた期間も「いざ走るとなったときに、どういう感情、心情になるのか想定しながら練習していた」こともあり、平常心で臨むことができたという。
一度は輪界最高峰のS級S班まで上り詰めた北井のA級1班からのリスタート。依然として選手やファンの間に批判的な声や思いがあるのは承知の上で「自分には走ることしかできない。走りで貢献して魅せていく。仕事をやり切るしかない。まだまだ上がある。もう一度、一番上まで行けるように頑張りたい」と先を見据えた。