新潟県・弥彦競輪場のGⅠ「第32回寬仁親王牌 世界選手権記念トーナメント」(優勝賞金3890万円=副賞含む)は20日、全員が準決勝の権利を持つ「ローズカップ」をメインに2日目を開催する。初日の「日競選理事長杯」を力強いまくりで制した古性優作(32=大阪)が人気を集めるが、関東軍団をまとめる平原康多(41=埼玉)がケガを乗り越え、息を吹き返してきた。
時代を背負い続ける英雄が、これからもそこに居続ける。今年は11年連続14回目のグランプリ出場をかけての戦い。状況としては今大会か、11月小倉のGⅠ競輪祭を取るしかない。
「大きなことを言える状態じゃないんで」
これまでも落車などのアクシデントは多かったが、今年は輪をかけて重いケガに見舞われてボロボロだ。初日の11R特選で1着を取り、3着に入った成田和也を見かけると「敵として戦う存在ですけど、同じようにヘルニアで苦しんでいるし、応援したくなりますね」とつぶやいた。苦しいのは、事実――。
ただし、初日の動きは確実に良化を示すもので「脚のシビレがなくなったのが大きい。今までは片方だけで踏んでいる感じだったんで」と感触もつかめた。「ローズカップ」でも連係する真杉匠(24=栃木)との信頼関係の厚さも武器になる。
「真杉は首が痛いとか言っているけど、ウソです! そう言ってオレから逃げ切ろうという作戦なんです。ガハハ!」
体の不調も解消し、可愛い後輩をいじって、笑顔があふれる。連勝ゴールで〝今回決める〟流れを加速させる。