123期、124期のルーキーを取り上げる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。 浮島知稀(23=群馬)は自身もギャンブラーの一面を持つナイスガイ。教員を目指した普通の大学生から一転、競輪選手になった群馬期待のルーキーに迫る。

 男3兄弟の末っ子として生まれ、スポーツは3歳から水泳ひと筋で「僕から水泳を取ったら、何が残るんだよって感じでした」と苦笑まじりに振り返る。スポーツ推薦で入学した高校では200メートル個人メドレーの選手として活躍した。

 将来は保健体育の教師になることを視野に、地元の育英大学に進学するが「教育学部で一年間過ごして、自分が先生になるのは向いていないなと自覚して…勉強もできないですし」と頭をかく。

 改めて将来を模索する日々の中で「父と伊勢崎のオートレースを見に行く機会があって、シンプルにかっこいいなと」心を揺さぶられ、公営競技の選手になる道に興味を持った。ただ水泳で鍛え上げられた体では、体重制限のあるオートやボート選手になるにはハードルが高く、自然と「自分の体格を生かしてできる」競輪選手を目指すことになった。

 自転車は未経験だったが、大学のクラスメートに現在の師匠である須藤直道(群馬=68期)の愛娘がいた幸運もあり、スムーズに仲介してもらうことができた。

「師匠はあの見た目なので、あいさつしに行った時は、やべっっ超怖そう! って思いましたけど、話したら優しくてホッとしました(笑い)」

 競輪選手養成所には2度目の受験で合格。在所成績14位、卒業記念レース2着と好成績を残して卒業した。

 本デビューからわずか6場所目の9月松戸で3場所連続優勝を果たし、特別昇班。現在はA級1・2班戦が主戦場だ。「上のクラスでは自分のやりたいことをやらせてもらえない」と苦戦するが、焦るそぶりはみじんもない。

「まだ自転車経験自体が少ないので戦法の幅も脚も今はいろいろと試している」

 理想の選手には同じ関東地区の若きタイトルホルダー、真杉匠を挙げる。「一度前橋で一緒に練習させてもらう機会があったんですけど、次元が違いすぎて…」とおそれを感じるほどだが「今は遠い存在だけど真杉さんのように先行でもGⅠの舞台で勝てるような選手になりたい」と青写真を描く。

 競輪選手を志してからまだわずか3年。群馬期待の新星の進化はとどまることを知らない。

【Q&A】
――開催中は何をして過ごしてますか?

「あいみょんや緑黄色社会のライブDVDを見てます」

――趣味は?

「公営競技。オートもボートも競馬もやります」

――天皇賞・秋は買いました?

「イクイノックスの1着はおいしくなかったし、負けたけどドウデュースから買いました」

――ギャンブラーですね

「今はあまり賭けなくなりましたよ。ギャンブルってお金がなさ過ぎて増やしたいって時にやりたくなるので(真顔)」

 ☆うきしま・ともき 2000年7月20日生まれ、群馬県出身。175センチ、84キロ。育英大学在学中。得意泳法は背泳ぎ。