123、124期の新人選手を紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」は今回、3回目の挑戦で競輪選手養成所に合格した枝光美奈(25=福岡)をピックアップ。勝負にこだわる姿勢は同期の中でも随一だ

「小さいころから体を動かすことが好きでした」

 活発な少女は真っすぐ育ち、スポーツにのめり込んでいく。主戦場は水陸〝輪〟で「トライアスロンは小学生から始めて大学(山梨学院大)までやりました。トライアスロンの中でも、バイクが好きで得意でした」と、二輪のマシンが気に入っていた。

 もはや自然の流れで「大学時代にガールズケイリンの選手に会う機会があって、この世界を知ってトライしようと思いました」と将来を定めた。自分が生きていく勝負の世界へ――。だが「3回目の試験で合格できました。思っていたよりハードルは高かったです」と苦労もあった。そこで根性が磨かれた。

 同期生だけの戦いになるルーキーシリーズでは、5月宇都宮③③❷、6月福井①③❺と安定した走りを見せた。

「ルーキーシリーズの2節は1年間、一緒に過ごして訓練もともにやってきた同期生が相手なので、相手の力とか、どんな動きをするかなどが頭に入っていたので、決勝まで進めたと思います」

 7月久留米の本デビューからは、思ったように攻めることができず苦しんでいる。決勝進出は1回のみで「ルーキーシリーズと違って相手の力も動きも分からないし、レースについていくだけで精一杯の感じでした。レースの組み立てなど勉強することは多いです」と分析する。

 自力ではなく、位置取り、差しをメインに上位進出を目指す猛者は「私はマーカーなので、具体的に名前を挙げれば九州では那須萌美さんのような走りができればと思っています」と九州の先輩を目標に据える。肝は「一瞬の判断ミスで後方になってしまうので、集中力を高めないといけないと思ってます」と、レースでの判断と強調し「レースで気づいたことはメモして同じ失敗をしないようにと考えてます」と闘争ベクトルを曲げない。

 練習は「師匠の稲吉悠大さん、桑原亮さんとやっています。小林優香さんと一緒になることもあって、同じメニューをやる時は、一緒に練習させてもらうこともあります。もちろんレベルの差が大きいのでプレッシャーしか感じませんが、少しでも練習でついていけたら自信にもなると思って頑張ってます」と食らいつく毎日だ。

 当面は「しっかり確定板に載れるようになりたい。決勝にまだ1回(9月佐世保)しか乗ったことがないので、コンスタントに乗れるようになりたい」と安定感を求めていく。さらなる勝負はその先…、譲れない位置は譲らず、歯を食いしばって勝利に手を伸ばす。

【Q&A】

――趣味などは

 枝光 趣味ではないですが、今、無茶苦茶ハマってるのが、韓国のヒップホップアイドルのiKON(アイコン)です。この前、近畿地区のレースに参加した時に大阪であったライブを観に行きました。感激しました!

――選手になっていなかったら

 枝光 基本的に体を動かす仕事を目指したと思います。スポーツインストラクターとかいいですね。保健体育の教員免許も持っているんですよ。

 ☆えだみつ・みな 1998年2月8日生まれ、福岡県出身。158センチ、62キロ。師匠は92期ルーキーチャンピオンの稲吉悠大。ニックネーム=えだみな。