こんにちは、東スポ競輪アンバサダーの太田理恵です!

 競輪祭が終わり、新たなS級S班9人が決まりました。競輪祭決勝は、先行した南関勢の後ろを取った単騎の真杉匠(24=栃木)選手が今年2回目のGⅠ優勝。深谷知広(33=静岡)選手の先行に乗った松井宏佑(31=神奈川)選手は、最後は2分の1輪差で同期の真杉選手に敗れてしまいました。

 松井選手の涙と悔しいという言葉の記事を見ると、2年前の競輪祭で新山響平(30=青森)選手が同期の吉田拓矢(28=茨城)選手に最後の直線で差されて悔しいと語ったシーンと重ねてしまいます。松井選手は持ち前のダッシュに加えて航続距離も延びており、この悔しさを活かして来年こそはタイトルを獲得してほしいです。

 グランプリのメンバーが決まり、今年は初出場の真杉選手や山口拳矢(27=岐阜)選手、そして6年ぶりに深谷選手が出場となりました。グランプリを控える選手は本番に備えて12月のレースに出場しない選手が多いですが、松浦悠士(33=広島)選手は今年、別府記念(7~10日)に参戦しました。

 しかし残念ながら決勝で落車棄権――。とても心配でしたが、落車直後はすぐに起き上がって観客に向けて腕を上げ、担架に乗らず歩く姿も見られ、また自身のSNSで擦過傷のみだったことを報告していて、安堵したファンも多いのではないでしょうか。

 このあたりもファン思いの松浦選手らしさを感じました。グランプリ当日まであまり日数はないですが、昨年レースを面白くしてくれた松浦選手には今年も注目です。

 今年はコマ切れ戦になりそうなメンバーで、昨年に比べて展開も読みにくいですが、真杉選手と山口選手が加わり雰囲気はガラッと変わりました。

 この2人は(山口選手は遅れてのデビューとなりましたが)元同期同部屋の間柄。山口選手が5月に日本選手権競輪を優勝した直後、宇都宮GⅢで優勝した真杉選手は、「早く拳矢さんと同じ舞台に立ちたい」とコメントを出していました。それがこの最高の舞台で実現することも見どころです。

 真杉選手はオールスター競輪では番手まくりでの優勝、競輪祭では単騎での優勝と着実に強くなっています。一方で山口選手は2年前の共同通信社杯で史上最速のGⅡ優勝を果たし、今年は日本選手権競輪で初のGⅠ決勝での優勝、そしてどちらも単騎での優勝と勝負強さも感じます。

 見た目やレーススタイルも全く似つかない2人が本番でどんな走りをするのか目が離せません!

 ☆おおた・りえ 1992年6月22日東京都生まれ、東京大学大学院卒、ミス・ワールド2014日本大会審査員特別賞、同大会2015実行委員長賞受賞、同大会2020日本伝統文化賞。