川崎ミッドナイト競輪が16日、開幕する。初日の2Rに登場する宮地寧々(28=岐阜)は産休、育休を経て1月7日に大垣で戦列に戻り、今回は4場所目で復帰後初の中部地区以外への遠征。愛息と離れ離れの生活にさびしさもあるだろうが、安心して預けられるそうで「不安はないです」と言い切る。

 夫も競輪選手の谷本奨輝(28=富山)。練習の際には1歳になったばかりの愛息と夫と3人でバンクに出向き、練習中は関係者に子守りをお願いしているという。

「うちの子は人見知りをしないので、誰にでもなついてくれるんです。おかげで気持ちを切り替えてバンクに入れています。協力してくれる方はもちろん、本当に感謝です」

 復帰後には夫の接し方にも変化があったそうで「第三者的な視点でアドバイスをくれることが多くなりました」。冷静な分析をできるのは、競技者としての妻にリスペクトがあるからこそ。これまで以上に夫婦の会話も増えて絆は深まった。リアルに「子はかすがい」を実感している様子だ。

 前走の岐阜では最終日に前方の落車に巻き込まれ「左脚がズルむけて肩鎖関節の靭帯も痛めた」そうだが、入院は1日だけ。翌日にはバンクでの練習を再開しており、今場所は「落車の影響はないと思う」と話す。

 初日は6番車。「ミッドで車番は後ろですが、前々でしっかり動いて大きい着を取らないようにしたい」。ママになった寧々は、家族や協力してくれる周囲のためにも上昇曲線を描いていく。