123期、124期のルーキーを取り上げる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。地元熊本バンクの開幕を心待ちにする徳永泰粋(21=熊本)は、高校時代にそこで練習中に選手を志した。S級昇格と「いい車」を目指して精進を続ける。
きっかけは熊本競輪場だった。「高校の自転車部で競輪場に練習に行っていて、選手ってかっこいいな、って思ったのがきっかけです」。熊本市立千原台高校では自転車競技部に所属。多くの競輪選手を出している高校だ。
身近な先輩では、徳永が1年生の時の3年生だった119期の北川大成や、2年生だった120期の中村鈴花らがいる。「特に北川さんが(競輪選手養成所を)受けたというのが大きかったですね」と話す。
もうひとつの理由が趣味でもある車だ。「伊藤旭さんとか、すごくいい車に乗っていて…」。そちらでもモチベーションを高めつつ入った養成所は「楽しかったし、充実はしていましたね」と振り返る。
師匠は西島貢司(64期)。また合志正臣(81期)とも関係が深く「アマチュアのころから、師匠と合志さんの2人にしっかり教えてもらいました」。この2人は競輪選手としてだけではなく「一人の人間として、目標にしています」という。
選手として目標にする選手を聞くと、しばし考えた後で「特に誰というのはないですね。熊本の選手は先行、まくり、追い込みと、それぞれ強い人がいますから」。いろんな選手からいいものを吸収している。
自己評価は辛口だ。「成長してなさにあきれます。レースの組み立てとか…。よく『緊張しすぎ』だと言われます。レースでやろうと思ったことができていない」。来期からはA級1・2班に昇班するだけに「このままではいけない」と苦闘する日々だ。
今後の目標は「やはりS級に上がりたいですね」。そしてもうひとつ、7月に再開予定の熊本バンクでの活躍だ。
2016年4月、2度の大きな揺れを観測した熊本地震により、バンクに亀裂が入るなど復旧に時間を要していた。「練習バンクでもあるし、やっぱり、優勝したいですね。地元の知り合いも来てくれると思うし、いいところを見せたい」と意気込む。地元ファンの声援を浴びるまであと2か月、来たるべき時を見据えて、トレーニングと実戦を積み重ねる。
Q&A
――趣味は
徳永 やっぱり車ですね。それと、バイクにも乗りたいです。
――欲しい車はある
徳永 夢の車ですけど、フォードGT40です。
――それは31台しかない幻の名車では
徳永 いえいえ、そのレプリカが出ていて、そのレプリカモデルの方。公道で乗りたいですからね。
――じゃあ、欲しいバイクは
徳永 乗るならやっぱりハーレー(ダビットソン)です。旧車の方が好みなんですが、旧車でもガンガン走りたいですから。
――免許は
徳永 今は車の免許に付いてくる原付のみ。まずは大型二輪免許を取らないと。いずれにしても、まずはS級に上がって稼がないといけないですね。
☆とくなが・たいき 2002年12月3日生まれ、熊本県出身。175センチ、72キロ。師匠は西島貢司(64期)。熊本市立千原台高校では自転車競技部に所属。大事にしているのは「やさしさ、ですね」。