武雄競輪の令和6年能登半島地震復興支援競輪 大阪・関西万博協賛GⅢ「開設74周年記念 大楠賞争奪戦」は11日、開幕する。佐賀勢主力の一人・山田英明(41=佐賀)は同学年・平原康多(41=埼玉)のダービー優勝に感銘を受けて地元大一番を迎える。
格上の存在だが、同い年には違いない。昭和58年度の同学年のもう若くはない世代だ。平原の活躍を追いかけ、背中に迫っていったが、遠ざかるばかり。いわき平GⅠ日本選手権の平原の優勝は、その心を揺さぶった。感情が動いた。
「こんなことを言うのはおこがましいんですけど、グランプリを走ったこともない自分ですが、平原と一緒にグランプリを走りたいって、そういう感情が湧きました」
重なる苦労は敵ながら分かる。それを乗り越えたすさまじさも分かる。ただ、同じくらいの時間を生きてきた体と心、同じ人間。オレも、の心が燃えた。
実直で控えめな男は、さらに続けた。「(佐藤)慎太郎さんは47歳ですっけ。47歳でS班ですよ! もう、誰にもできていない47歳でS班になります」と熱くなった体の中にあるものを、グイグイ吐き出した。ヒデちゃんは、変わった。強く、若々しい姿があった。
初日の12R特選は「自分は4番手で」と九州結束をうながした。思いを伝えた4人の心は一つだった。汗と涙にまみれた武雄から、もう一度、この男の戦いが始まる。