125期、126期のルーキーを取り上げる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。 7月本デビューとなるガールズ第一弾は是永ゆうき(20=大分)にスポットライト。前々で奮闘する彼女の現在地に迫った。
今どきの女子大生を思わせる見た目だが、中身は小中学校で野球、ソフトボールに熱中していた根っからの体育会系だ。地元大分の日出総合高校で自転車部に入ると「勉強は得意じゃないし、やるからにはプロを目指そう」と、すでに視線の先にはガールズケイリンがあった。
高校3年時の2021年高校総体では女子ケイリン決勝で5位入賞と結果を残した。ちなみに同4位は126期の同期でも特に仲の良い中島瞳(埼玉・川越工高)だった。
最初の競輪選手養成所の試験は、練習で合格基準のタイムが出ず〝ダメ元〟での挑戦だったが、やはり不合格に終わってしまう。「次、落ちたら諦めると決めて、気合を入れて練習しました」。覚悟を決めたら、しぶとく、強い。
一年間、歯を食いしばり励んだトレーニングは実を結び、無事に合格。タイムも「500メートルは39秒しか出なかったのが38秒に、ハロンも12秒9から12秒7に」縮めることに成功した。
5月富山でデビューを果たすと、平塚、松山とここまでルーキーシリーズ3場所を走り終えた。前を取っての飛び付きを主戦法に奮闘。着を叩くことが多かったが、将来性を感じさせるに十分な内容で、松山の最終日には記念すべき初白星もゲットした。それでも「養成所のときは『前を取っての飛び付きが得意です』なんて答えてたんですけど、全然上手く飛び付けなくて…得意とか言ってる場合じゃない」と、7月の本デビュー(大宮、4~6日)を控え、焦りの色を隠さない。
悩み多き20歳。相談に乗ってくれる師匠・池部壮太(大分・109期)の存在が心の支えの一つで、「富山の最終日の(6着に終わった)レースの後、自転車を取りに来てくれた師匠の顔を見た瞬間、涙をこらえ切れなくなって…」というほどに信頼を置いている。
待望の地元戦への思いを聞くと「いや~、強くなってからがいいです」と、バツが悪そうに笑ったものの、別府の熱いファンに1着とお立ち台で笑顔を届けるのは、そう遠くないかもしれない。
Q&A
――宿舎で暇なときは何をしてますか
是永 新聞に付いているナンプレ(数独)にハマってます。解き終わったあとの達成感が最高なんですよ! たまに答えをカンニングしちゃいますけど(笑い)
――家では
是永 姉と韓国ドラマにハマってて最近では『ペントハウス』が面白いです。音楽だとミセスグリーンアップルが好きですね
☆これなが・ゆうき 2003年12月6日生まれ、大分県出身。155センチ、55キロ。ホームバンクは別府。得意戦法はS取りからの飛び付き。