グランドスラムに視界良好だ。5月のGⅠ日本選手権(いわき平)を制して早々とS班復帰を決めた平原康多(42=埼玉)が27日、開設74周年記念GⅢ「水戸黄門賞」が行われている取手競輪場でトークショーに出演し、大勢のファンに元気な姿を披露した。

 GⅠ高松宮記念杯(岸和田)では最終日(16日)の10R特秀で落車し、右ヒジや頸椎、右腰を負傷。今後の戦いへの影響も心配されたが、イベント終了後に「ケガは大丈夫。打撲もなく、擦過傷ぐらい。練習もしているし、次の競走まで時間もありますから」と笑顔交じりに近況を明かした。

 当初の予定通り、次走はミッドナイト開催の佐世保GⅢ(7月16日~18日)になる。心配なのは時間帯で「最終レースだと午後11時半とかですよね。普段なら寝付く時間帯ですよ」と苦笑い。一方で、ミッドナイトの競走以上に「その後の時差ぼけの方が気になる」と言いつつも「どの時間帯のレースでもちゃんとパフォーマンスを出せるように体を慣らしていきたい」とオールタイム、オールラウンドで対応していく考えだ。

 GⅠで通算9勝を挙げている平原にとって唯一の〝忘れ物〟となっているのがGⅠオールスター競輪だ。今年は8月13日~18日に平塚競輪場で開催される。関東の後輩たちには「真杉匠が出てきて、それを目指してみんな伸びてきている」と成長を感じており、機は熟してきた。ダービー王は過去に井上茂徳、滝沢正光、神山雄一郎、新田祐大の4人しか達成していないグランドスラムに「運も含めてピークで迎えられたら」と意欲をのぞかせた。