取手競輪GⅢ「開設75周年記念」(水戸黄門賞)が31日に開幕する。長らく関東の屋台骨を支えた武田豊樹(51=茨城)も調子を上げて地元記念を迎える。

 茨城の御大が万感の思いを込めて地元記念に臨む。「神山さんの冠名が付いた大会だったし気持ちが入った」という前回の宇都宮記念は、節間3勝の固め打ち。その後は「腰に張りが出てしまったので大事を取って」一本欠場し、大一番を迎えた。

 かつて〝関東ゴールデンコンビ〟と呼ばれ、何度もビッグレースで好連係を決めてきた盟友の平原康多が、先日引退を発表した。「これからは言いづらいことは僕が言っていくしかないね」と笑うと、神妙な面持ちで「今は自分がGⅠから離れてしまっている。もう一度、GⅠ戦線に戻って戦いたい」と話した。続けて「(平原や神山雄一郎氏とは)かなりのレース数を一緒に走って、期待に応えてきたラインだった。先輩、後輩が先にいなくなってしまうのは寂しいですね」と言葉を選びながら語った。

「もう、いつ辞めてもいい歳」という自覚もあるようで、地元記念を走る回数も、残りはそれほど多くないかもしれない。だからこそ一走一走に思いを込めて、4日間を戦い抜くつもりだ。