立川競輪FⅠ「関東カップ」は16日、開幕する。メインの12R初日特選はラインで形成されたのは菊池岳仁(24=長野)―阿部力也(36=宮城)―佐藤友和(41=岩手)だけ。残る4車は単騎となった。そんな中で虎視眈々と一発を狙っているのが、新車で臨む新田康仁(50=静岡)だ。

 5月末の伊東を最後に優出から遠ざかり、前走の取手GⅢまで原因究明に頭を抱えていた。そこで立てた一つの仮説が経年劣化による「フレームのヘタリ」。1994年のデビューから30年。これまで経験したことのない感覚だったという。

 7月に入って新車が届き、実際に練習してみたら「原因がフレームだったと分かった」。実戦投入は今回が初となるが不安はない。「練習も調整もできた。ベストの状態にあると思う」と言い「フレームが原因じゃなかったら迷宮入りしてメンタルをやられるところだった」と思わず頬も緩む。

 新たな愛機はフレームのダウンチューブに「シャア専用」の5文字が入り、シートステーのブリッジ部分には「赤い彗星」と刻印されている。もちろん色は赤でラメ入り。言うまでもなく人気アニメ「機動戦士ガンダム」を意識したものだ。「シャア専用ですからね。3倍速いですよ。フフフ」。アラフィフの自在戦士が自慢の新車でニュータイプの走りを披露する。