立川競輪FⅠ「関東カップ」は17日に2日目を開催。その6Rで斎藤登志信(51=宮城)が1着となり、通算500勝を達成した。1994年の表彰関連規定改正以降は58人目(男子では54人目)の記録。斎藤は前回宇都宮の最終日(5日)に499勝目を挙げ、大台に王手をかけていた。
1997年8月8日に前橋でデビューし、その節で完全Vを果たしてから27年弱。現在は25年以上1回も降級することなくS級で戦い続け、白星を積み重ねてきた。
この日のレースを終えた後は「板垣(昴)と後ろを固めてくれた同い年の紺野(哲也)のおかげ」と前後の選手への感謝を述べ「できれば1班で決めたかったけど、S級にいるうちに決められてよかった」と実感を込めた。
立川競輪場は法政大学時代から慣れ親しんだ地で、2004年には競輪グランプリに乗るなど縁があっただけに「思い出のあるここで決められたのは大きい」と言う。さらに「思い出の1勝」を問われると「いろいろあったけど」と切り出し、2000年5月の宇都宮記念(後節)決勝を挙げた。「鐘前から小嶋敬二さんと突っ張り合って2人だけのレースになってね。結果は小嶋さんの優勝だったんだけど」。負けた悔しさが真っ先に浮かんだのも斎藤らしさだろう。
長くS級で戦い続けられた原動力は「タイトルホルダーをつぶす」という負けん気だった。井上茂徳氏や吉岡稔真氏といったレジェンドに立ち向かうために歯を食いしばり、研さんを積んだことが50歳を過ぎた現在にもつながっている。
記念撮影を求められると、周囲を見渡してから「ここがいいな」と選んだのは佐藤慎太郎が優勝した2019年KEIRINグランプリの記念パネルの前。「慎太郎(通算480勝※17日現在)より先に達成できたことが自慢かな」。その瞬間だけ勝負師の目が三日月になった。