弥彦競輪場で熱戦を展開した大阪・関西万博協賛GⅠ「第33回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」は19日、準決勝をメインに3日目を開催し、決勝出場9選手が出揃った。古性優作(33=大阪)は今回も抜群の安定感でファイナリストに名を連ねた。

 頂点にいる男としての振る舞いがある。競輪界を背負う身として、近畿地区の親分として、大きなものを抱えている。準決10Rの前のこと…。

「寺崎(浩平)が発走する前にすごい顔をしていたんで…。ちょっと良くない緊張をしているように見えたんです。それでちょっと話をして」

 寺崎としては2日目ローズカップでの失敗があり、準決、そして決勝で取り返すべく思いが高ぶっていた。古性の声掛けによって見せた走りが真骨頂――。しかし「もっと強いですけどね(笑い)。あんなもんじゃないし、一番強いと思っている」と強調した。

 決勝は近畿3番手での戦いになる。前の2人(寺崎浩平ー脇本雄太)の強さは知り抜いているが、目指すものがある。

「この大会は昨年の1回しか勝っていないので。ダブルグランドスラムを目指すにあたっては2回勝たないといけないので」。有言実行こそが、生き様。準決12R後は「人気にもなっていたし、ラインでも決められず悔しい」と厳しい表情を崩さなかった。求められているもの、そして自らが求めるもの、すべてを掌握する道を突き進む。