弥彦競輪場で熱戦を繰り広げた大阪・関西万博協賛GⅠ「第33回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」は20日、最終日を開催し12Rで決勝戦が行われた。寺崎浩平―脇本雄太の3番手固めた古性優作(33=大阪)が、もつれにもつれた混戦レースを巧みな立ち回りで切り抜け昨年に続く大会連覇を達成。8月の平塚オールスター以来、通算8度目のGⅠ制覇を飾った。

 競輪界を代表するオールラウンダーが面目躍如の活躍で、昨年に続く大会連覇を達成した。レースは寺崎浩平―脇本雄太の3番手。最終2角で脇本が郡司浩平に押し込まれ内に入った瞬間、外へと車を持ち出し4角で郡司の内を猛然と突いた。変幻自在な身のこなしは「負けパターンに入ったなと思いつつ、勝手に体が動いて内へ入った」とアドリブに富んだ、すごみあるプレーだった。

 壮大な目標達成につながる大きな一歩だ。競輪学校時代、滝沢正光校長から「Wグランドスラムを目指すんだ!」と厳命され、古性にとってはいつしか競輪人生の道しるべとなったからだ。

 現行ではGⅠ・6大会を優勝すると「グランドスラム」の称号を得られ、ここまで古性が制したのは全日本選抜競輪、高松宮記念杯競輪、オールスター競輪、寛仁親王牌の4つ。今回の優勝でそれぞれ2回ずつ制したことになる。日本選手権競輪(ダービー)、競輪祭はまだ優勝がない。

「あとは日本選手権と競輪祭ですか。Wグランドスラムにはまだまだ足りないし、これから狙っていきたいです!」と、まだ手にせぬ2大会への思いは並々ならぬものがある。

 この先、京王閣記念(10月26~29日)を挟み、狙い定めたGⅠ小倉競輪祭(11月19~24日)が控える。最終的には年末のKEIRINグランプリ2024(12月30日・静岡)が待っているが、まずは競輪祭ゲットに全力投球。グランドスラムへリーチをかける。