熱戦を展開してきた小倉競輪スペースナイトレースFⅠ「九州スポーツ杯×HPCJC」は最終日の31日、12RでS級決勝戦が行われ、中本匠栄(37=熊本)が5番手から直線強襲して勝利。見事「九スポ杯」を獲得した。中本は2023年10月の熊本GⅢin久留米以来の優勝。
誰が勝っても不思議でない最終バトル。勝利の女神は中本にほほ笑んだ。「(上田)尭弥と(中川)誠一郎さんのおかげ」と同じ熊本の先輩、後輩への感謝を口にした。
レースは岩谷拓磨―市橋司優人、青野将大―三谷将太、上田―中川―中本で周回。赤板で上田が切った上を青野が鐘先行。上田は3番手から仕掛けるも進まず、3角手前で内に進路を取った中本が三谷に踏み勝ってのVゴールだ。「バックを踏み切れなくて申し訳なかったが、あそこで行かないと優勝はない」と冷静な判断と勝利への嗅覚が久々の優勝を導いた。
今シリーズはペダリングの改造に取り組んでいた。新しいフォームは初日の時点でステイして、2日目以降は従来の走り方に戻して臨んだ。現状に満足しないためにも「練習で取り組みながら」チャレンジする必要があるのが分かったのもひとつの収穫だった。
今後は防府、豊橋のFⅠを経て、名古屋GⅠ日本選手権へ向かう。「脚力を上げて、今日のような判断だったりを煮詰めて、レベルアップしていかないといけない」とより精度を上げることを誓い、来年2月に地元の熊本で開催されるGⅠ全日本選抜を大目標に精進を重ねていく。