和歌山競輪GⅢ「第6回大阪・関西万博協賛競輪」が10日、開幕する。シリーズを占う12R初日特選は大激戦ムード。注目は優勝から転戦の飯野祐太(38=福島)だ。

 前回の地元・いわき平の準決と決勝で深谷知広の番手を回り、大きな刺激を受けた。何より決勝が強烈だった。

「桜井正孝と『まくりかまくり追い込みだね』と話していたんです。でも…」

 別線が昼田宗一郎―太田竜馬―岩津裕介という二段駆けラインだったことで、深谷の考えは違った。飯野と桜井の所に来ると「前受けから突っ張ります」。

「えっ!」。飯野と桜井は驚きを隠せなかったが、深谷がそう言うなら異存はない。

 結果的に深谷が突っ張り切って飯野が優勝、桜井が準優勝だった。気持ちの入ったレースを目の当たりにした飯野は「すごかったです。それに『別線の方が人気になっていたので気持ちも入った』って深谷君は言っていて…」と感銘を受けた。

 北日本の先導役としてラインに貢献し続けてきた。ようやく昨年11月に富山でGⅢ優勝に手が届いた。「上位で戦うには自力がないとダメ」と、そこからまた復活を期しての戦いに挑んでいる。

 貢献度と実力からいえばGⅢ優勝1回は少ない。今回、積み重ねる。