奈良競輪のF1「中井光雄記念杯オッズパーク杯」は21日、初日を迎えた。S級予選9Rは立部楓真(27=佐賀)が厳しい展開を力でねじ伏せ、柳詰正宏(1着)との九州ワンツーで人気に応えた。

「山中(秀将)さんがすかさず来たのは、不意打ちでした。飛んでしまう展開でしたね」と組み立ての面で反省を口にしつつも「GⅢ覇者のプレッシャーでおかしくなった、と書いておいてください(笑い)」と、前回小倉でGⅢ初優勝を飾った柳詰を〝イジる〟余裕も見せた。

 昨年は不振に苦しみ、今年前期はA級に甘んじたが、4月別府で9連勝の特別昇級を決めてから流れが一変。直近も小倉GⅢ、2場所前の富山GⅢと立て続けに準決へ進出するなど、復調ムードが漂っている。もちろん本人も手応えは感じているものの、そこに満足感は一切ない。

「練習の感じは以前より良いと思っているので、まだまだ今の成績には満足していません。前よりも良い成績を残せると思う」。

 準決は朝倉智仁、高橋和也との三分戦。勝ち上がりは容易ではないが、九州の大砲候補の一人として期待される男が、再び輝きを放ち始める。