武雄競輪のF1「九スポプレゼンツ/日本名輪会カップ第14回闘将・佐々木昭彦杯」は4日、決勝戦が行われた。レースは緒方将樹に乗った中川誠一郎(46=熊本)が山田英明の猛追をしのぎ今年初Vを飾った。

 あっと驚く結末だった。人気は抜群のデキで勝ち上がった阿部力也。さらに地元の山田もおり、熊本勢は第3ライン。ところが阿部が後方に構えたことで優位に働いた。山田は「誠一郎さんが踏むと思い、その外を踏みたかった」と中川がギリギリまで緒方をかばったことで目算を誤った。中川は「力也が来たら踏んだけど来なかった。将樹が残るかも、と思って」と勝負のアヤを振り返った。

 今年初Vもうれしいが当大会を制したことは違う意味でも格別だ。それは佐々木氏の冠杯だからだ。以前、九州スポーツのロゴを胸に付けたユニホームで走っていた中川としては、東京スポーツ競輪評論家を務める佐々木氏の存在は常に頭にある。佐々木氏は「アイツ、オレの座を狙っている(笑い)」と警戒するが、中川は「いやいや。それより名輪会に入れて欲しい。辞めたら表彰する側ですよ。あれ、いいじゃないですか」と共存をアピールしていた。