武雄競輪ナイターFⅠ「第7回森うなぎ屋杯」は11日、初日を開催。10Rでは、後藤大輝(24=福岡)が地元の小林弘和に交わされはしたものの、力強いカマシで予選をクリアした。

 ただ、ラインで決められずレース後には「差されたし、弱い。ダメですね…」と反省の言葉を口にしたが、その表情は充実していた。そんな後藤の胸の内は明らかに高ぶっている。

 それは、補欠4番手として待機していた小倉競輪GⅠ「第67回競輪祭」への出場が決まったからだ。もちろん、他の選手のアクシデントによる出場であるため手放しで喜ぶわけにはいかないが、地元での大一番を正選手で迎えるのと補充で迎えるのでは心構えが変わってくる。

「僕の中で競輪祭は特別なものなんです。だって毎年行っていたし、競輪祭を見て競輪選手になろうと思ったんですから」

 幼い頃に競輪ファンの父親に連れられて訪れた小倉ドーム。朝から並んで席を取り、発走機の前に陣取ってホルモンの煮込みを食べながら観戦した日々が鮮明によみがえった。最近、荒井崇博、小野俊之、大塚健一郎といった九州勢に抱っこされて撮った写真が見つかったという。「荒井さんに見せたら『これ、オレ?』と驚いていました(笑い)」と数々の思い出が詰まった夢の大舞台に今から胸を躍らせている。