【太田理恵の競輪〝エレガント〟分析】小倉競輪祭で気になるのは栃木に移籍した〝杉浦〟選手

 こんにちは、東スポ競輪アンバサダーの太田理恵です!

 10月に行われた寬仁親王牌は嘉永泰斗(27=熊本)選手のGⅠ初制覇で幕を閉じました! 決勝は単騎となりましたが好位置を確保し、力強くまくっての優勝。これで来年の2月に地元の熊本競輪場で行われるGⅠ全日本選抜にはS級S班として出場することになりました。

 嘉永選手はGⅠの優出こそ今回が初めてでしたが、これまでグレードレースでも好タイムを出していたので、驚きよりも「ついに」という納得感がありました。新たなSSの誕生は競輪界にとっても、そして何より九州勢にとって素晴らしいニュースとなりました。タイトルホルダー・嘉永選手の今後の活躍が楽しみです!

 さて、今年のGⅠは競輪祭を残すのみとなりました。賞金ランキング上位の顔ぶれは概ね予想通りという感じではありますが、気になる選手で言えば、ちょうどボーダー下にいる松本貴治(31=愛媛)選手です。寬仁親王牌の決勝では最終3コーナーで8番手の位置でしたが、あの前橋バンクでコースを見つけて最後は2着まで伸びていました。

 また準決勝では強敵揃いのメンバーの中で自力の番組となりましたが、松井宏佑(33=神奈川)選手の番手に飛びつくと、ホームでは早くも自力に転じて、後方の新山響平(32=青森)選手や寺崎浩平(31=福井)選手の巻き返しを許しませんでした。そして古性優作(34=大阪)選手の強襲も振り切って1着。タテもヨコも高いレベルでバランスが良く、競輪祭でも活躍が期待されます。

 また、10月に愛知から栃木へ移籍した杉浦侑吾(30=栃木・旧姓・藤井)選手にとっては競輪祭が移籍後初のGⅠ出走となります。直近のGⅠでは大きい着が続いているものの、先行力は抜群のポテンシャルを秘めています。

 先日の小田原GⅢ準決勝では、鐘で脚を使って前に出るとそのまま先行し、後方の新山響平選手を不発にして2着に逃げ粘りました。そして杉浦選手の加入により、一気に有利になるのは栃茨勢だと思います。

 吉田拓矢(30=茨城)選手はすでにグランプリ出場が確定しており、真杉匠(26=栃木)選手もほぼ当確。GPへ向けて援軍を増やしたいところで、坂井洋(31=栃木)選手に今回チャンスが巡ってくるかもしれません。杉浦選手と坂井選手は115期の同期でもあり、決勝で連係が見られるのではと勝手に想像しています!

 ☆おおた・りえ 1992年6月22日東京都生まれ、東京大学大学院卒、ミス・ワールド2014日本大会審査員特別賞、同大会2015実行委員長賞受賞、同大会2020日本伝統文化賞。