広島にジャンの音が約2年半ぶりに帰ってくる――2023年の2月8日を最後に改修工事に入っていた広島競輪場。30日からのモーニング開催に先立ち、28日に広島競輪場の新バンクと選手宿舎兼ホテル棟の竣工式と施設見学会が行われた。式典後にはS級S班の松浦悠士ら9選手によるデモンストレーション走行や、施設の見学会が行われた。

 従来の緑から、海をイメージした青色に塗り変えられた広島バンクに、ようやく歓声が戻って来る。11月30日から行われるモーニングFⅡ「ただいま広島競輪チャリロト杯」が約2年半ぶりの開催となる広島競輪場。この開催に先立って28日、バンク及び選手宿舎兼ホテル棟竣工式が、多くの関係者やマスコミを集めて行われた。

 式典では、まず松井一實広島市長が「本日こうして広島競輪場の新たな門出を迎えることができました。地元の住民の皆さまをはじめ、多くの皆さまの多大なるご支援、ご協力のおかげです」とあいさつ。続いて株式会社チャリロトの石原洋輔代表取締役が「来場されたお客様に、より臨場感あふれるレース観戦をお楽しみいただけるように大型LEDビジョンを新設、周囲には空中歩廊を設けました」と説明。ナイター設備も備えられており、競輪ファンを迎える準備は万端だ。

広島競輪場のスタンドとゴール

 続いて選手宿舎兼宿泊施設となる「せとうちサイクルステイズ広島宇品」や関連施設の説明会が行われた。全室に自転車を持ち込める123の部屋をはじめ、館内にある地元ロードレースチーム「ヴィクトワール広島」のショップなどが紹介され、せとうちジャーニー田部井智行代表取締役は「瀬戸内を自転車や船で旅する拠点となれば」と話した。

 説明会後には地元9選手による走行デモンストレーションがS級S班の松浦悠士、S級1班の大川龍二、町田太我らそうそうたるメンバーで実戦さながらに行われ、2角まくりの町田を松浦がゴール寸前にかわして1着。まるで2021年12月の広島記念決勝の再現のような好レースを見せた。

 町田はバンクの印象を問われ「練習と実戦形式では違って、少し重さがありました」と感想を漏らし、松浦は「記念の1Rみたいな時間だったのもあるかな」と話していた。ただ、バンクで練習した選手の印象は総じて「軽くて走りやすい」と好感触。実戦が待ち遠しい。

 今後は30日からのモーニング開催、来月7日からのFⅠ「サテライト山陽カップ/CTC杯」と続き、20日からは3年ぶりに本場で行われるGⅢ「開設73周年記念 ひろしまピースカップ」が控える。2027年2月には広島はもちろん中国地区初のGⅠ「第42回全日本選抜競輪」も開催予定だ。一時は廃止までささやかれた状況からよみがえった広島バンク。30日に新たな歴史の1ページが刻まれる。

【松浦悠士コメント】
 見た目が視覚的に高知バンクに近くなった感じがしますね。走路の色とか。バンク自体は以前より軽くなっていると思います。ライン取りが難しくなっているかな。1、2センターの建物がなくなって、その影響がどうかも…。
 あとは道場も綺麗にしてもらってありがたいです。ローラーも増えたし、こうして新しくしてもらえてうれしいです。
 お客さんも再開をすごく待っているみたいで、練習しているとたくさん声をかけてもらえるんですよ。しっかり走って、いい姿を見せたいですね。