大宮競輪FⅠ「スポーツニッポン新聞社杯」は18日に2日目を行い、地元の太田りゆ(31=埼玉)が7Rガールズ予選2を制してピンピンで決勝に駒を進めた。最終1センター6番手から山おろしを使って加速し、2着に5車身差をつける圧勝劇だった。
スタート直後、太田は意外な行動に出た。6番車ながらそろりそろりと自転車を進めてS取りした五味田奈穂の後位に。あっという間に包囲されても太田が引くことはなく、打鐘まで番手に〝居座り〟続けた。五味田も「どうして太田さんが番手に?」と戸惑ったという。
決して思いつきではなかった。「〝私だって簡単に引く女じゃない〟というところを見せておきたかったんです。結局はキチっと引きましたけど(笑い)。五味田さんが駆けるなら番手のままでもいいかな、と」。後方で構えて一気にドカンという戦法は代名詞にもなっているが、先を見据えてライバルたちに「何かしてくるかも」というイメージを植えつける狙いがあったようだ。
19日の11Rガールズ決勝は、新人・酒井亜樹(24=大阪)との〝新旧ナショナルチーム対決〟として注目を集める。ホームバンクでもある当地は過去2度しか出走しておらず、決勝では1月に仲沢春香の後塵を拝して2着。9月は藤田まりあ、畠山ひすいに先着を許して3着に沈んだ。今回も「亜樹ちゃんも予選2のダッシュとかを見ているとすごい成長しているし(同県の中島)瞳も動きがいい」と楽な相手ではないが、太田は「お姉さんとしての意地を見せたい」と言って口元をキッと引き締めた。