123、124期の新人選手を紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」は今回、岐阜が送り出す新鋭をピックアップ。すでに偉大過ぎる存在となった山口拳矢を追いかけて、上位進出を目指す。
競輪を愛する父(勝哉さん)の思いを背負い、バンクの中で躍動していく。「父が車券を買うのが好きで、競輪場に付いていってたんです」。中学生の時に「競輪選手になりたい」と心に湧き起こり、名門・岐南工高に進んで自転車の道を開いた。無事に競輪選手養成所に合格し、昨年春にデビュー。勝哉さんは「ずっとレースを見てくれていて、喜んでくれています」と息子が走る姿に感動しているという。
本デビュー後は3回の優勝を決めるなど、安定した成績を残している。1・2班戦への特別昇班については「9連勝は考えていなくて、着実に、いい感じでいろいろと経験を積んで」と冷静に自分を見極めている。圧倒的に勝ち進むタイプではなく、現状は「本番が弱いのがあって、慌ててすかさず仕掛けちゃうのがあるんです。脚もないのに、行ってしまうことがある」と課題を感じている。
今年に入り三重の重鎮・岩見潤との連係が多く「一番いろいろと学ばせてもらっています」とニッコリ笑った。上位で長く戦ってきた選手の助言は胸に響く。松阪ミッドナイトの決勝では落車してしまったものの、それも経験。選手にはつきもののケガとの戦いも克服するのみだ。
目の前には山口拳矢という大きな存在がある。若くして岐阜のリーダーとしての地位にいる。「大垣バンクに入って一緒に練習させてもらっています。ダッシュがすごすぎて、全然違います」。〝ダービー王〟の強さを目の当たりにし「近づきたい」と憧れの眼差しを向ける。いつかは同じレースを…。そのためにも「S級に着実に上がっていけるように」と自分の戦いに邁進していく。
父や友だちも応援してくれており、「今は本場で応援されると緊張しちゃうので、自信を持って走れるようになった時に」と頼もしくなった際には来場を呼び掛けた。今は控えめで穏やかな若者だが、必ずみんなを笑顔にするビッグなレーサーになってみせる。
Q&A
――山口拳矢はどんな人
尾方 メチャクチャ優しいです(ニッコリ)。
――GⅠ優勝してからも
尾方 何も変わらず、です。
――アドバイスも求める
尾方 こうしろ、とか言われることはないんです。自分から聞けば教えてくれます。
――20歳になった
尾方 1月1日になったばかりで、お酒はまだビールくらい。
――練習漬けの毎日のようだが
尾方 練習はもちろんしっかりやるんですが、夜、友達と遊ばないと寝れないんです。遊ぶこともしっかり、です。
☆おがた・ゆうじ 2004年1月1日生まれ、岐阜県出身。169センチ、72・5キロ。師匠=児玉利文(76期)。