岐阜競輪のF1「中京スポーツ杯」は14日の最終日、12RでS級決勝が行われ、3角からインコースを踏み抜いた渡辺十夢(43=福井)がV。2019年4月大垣以来の優勝を飾った。

 福永大智―石塚輪太郎の3番手で周回。神奈川2車が先行し、福永が最終バック3番手から仕掛けるが「あまり出もよくなさそうだった」と内へコースを求めた。「そこから佐々木(龍)君と青野(将大)君の間に入っていこうと思ったけど、まさか内が空くとは」と目の前に開けたVロードを一気に駆け抜けた。

 同時あっせんの兄・渡辺航平(46=東京、旧福井)がひと足先に11RのA級決勝を制しており、兄弟アベック優勝となった。「僕ら2人とも小学生から自転車競技をやってて、兄貴が強くて強くてコンプレックスだった。それが30年以上やってて、2人でポンポンって優勝できて…」と感慨深そうに話した。

 昨年から落車や病気が続き苦悩の中にいた。「肺炎でどん底も見たし、ここ2場所で点数を落としていたので一番良い薬になった」。この優勝を完全復活への分岐点にする。